情報処理学会では、情報処理学会論文誌(以下基幹論文誌と略す)へ研究会で発表された優秀な論文を研究会が推薦する規約を設けています。
この趣旨に則って、MBL研究会では、次の審査基準を設けており、優秀な論文を推薦しています。
- MBL研究会で発表された論文のうち、「推薦論文として選ばれた場合、その論文の投稿時に、基幹論文誌の論文として採録または条件付き採録と同等のレベルに達していると思われる論文」を推薦する。
- 基幹論文誌の査読基準では、論文として採択されにくいシステムインプリメンテーションなども推薦できるものとする。
- 研究会の表彰を担当するMBL研究会運営委員が、研究会に出席した他の運営委員の意見も集約した上で、以下に示す選定報告書を作成し、主査に推薦する。非年間推薦枠による推薦が可能な場合、原則として、研究会終了後1ヶ月以内に主査に推薦する。
- 非年間推薦枠での推薦可能論文数=6ページ以上の原稿を伴う研究発表総数の10%以下
- 非年間推薦枠による推薦が出来ない場合、年間推薦枠での推薦を実施する。半期ごとに英文・和文で最大各1件ずつを選出する。
選定報告書フォーマット
モバイルコンピューティングとユビキタス通信研究会 研究会推薦論文 選定報告書
1. 対象論文名、著者
2. 発表研究会
3. a) 採録(コメント有、コメント無)
b) 条件付き採録
4. 採録判定理由 (200字程度)
5. 項目別判定
a) 新規性: 5段階評価(1-低い 5-高い)
b) 有用性: 5段階評価(1-低い 5-高い)
c) 正確さ: 3段階評価(1-不正確, 2-やや不正確, 3-正確)
d) 構成と読みやすさ: 3段階評価(1-読みにくい, 2-やや読みにくい, 3-読みやすい)
e) 学会との関連: 3段階評価 (1-なし, 2-あり)
6. 総合評価: 5段階評価(1-低い 5-高い)3以上が採録の目安
7. 採録の条件(条件付き採録の場合)
8. コメント
注1) 新規性と有用性は、どちらかが特に高い場合には、採録の基準を満たす。
注2) 項目別判定の各項目については、以下を参考とする。
新規性
- 従来提案されていないと判断できる新しいアイディアを提案しているもの
- 既存アイディアを組み合わせたものでも自明ではない新しい利用法を提案しているもの
- 技術的に新しい知見を与えるデータを提示しているもの
- 大規模なシステムあるいは独創的な作品等の作成事例
有用性
- 提案手法の有用性が性能評価等により示されているもの
- 製品化あるいは公開された作品、プロダクト等(ハードウエア、ソフトウエア等)で技術的有効性が客観的に確認されているもの(定量的評価が困難な場合は定性的評価でも可)
- システム・作品等の作成事例でその成果が他研究者にも有用なものは、大量の論文等をサーベイしており他研究者に有用なもの
学会との関連
- 極端に関連の無い場合以外は、ありとする。
注3) 正確さ、構成と読みやすさを1または2と判定した場合、具体的に採録の条件、またはコメントに指摘すること。
研究会推薦論文手順
- 研究会で発表された6ページ以上の原稿を伴う研究発表の中から、表彰を担当する運営委員が、他の運営委員の意見を集約した上で、主査に推薦する。このとき「モバイルコンピューティングとユビキタス通信研究会 研究会推薦論文選定報告書」を用いる。
- 推薦論文の著者に、推薦して良いかを打診する。(既に論文提出済みかなど。研究会のCFP周知の際に推薦希望の有無を著者に確認しても良い)
- 研究会から、主査名で論文誌委員会に論文を推薦する。
- 論文誌委員会で承認する。
- 学会から本人に論文提出を依頼する。このとき(1)の報告書の内容を論文に反映する。
- 本人が学会論文に論文を提出する。
- 研究会主査にメタ査読依頼が来る。(研究会主査がゲストエディタになる)
- ゲストエディタが二人の査読者を選び、研究会推薦論文である旨を述べ、その了解を得る。
- ゲストエディタはその査読者を学会に連絡する。
- 学会から、査読者2名に論文がわたり、論文の査読が開始される。
- 査読結果が学会経由で、ゲストエディタに渡される。
- ゲストエディタが二人の査読結果を基に、総合的に判定する。
- 結果が論文提出者に発送される。